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スポーツ・エネルギー学序説 |
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著者 |
金子公宥 |
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判型・頁 |
A5/248頁 |
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定価 |
2,860円 (本体価格: 2,600円) |
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発行日 |
2011/09/01 |
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ISBN |
978-4-7644-1121-0 |
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エネルギーなくしては生命も身体運動もありえません.本書では,スポーツないし身体運動におけるエネルギーの意義やその役割について,豊富な図を交えてわかりやすく解説しています. 本書では「スポーツ・エネルギー学」とは,「スポーツ(身体運動)にかかわるエネルギーが,どのように発生し,どのようなはたらきで運動成果(パフォーマンス)と結びつくのかを研究する応用学」と定義しました.つまり,われわれの身体が生み出すエネルギーと体内に発生した化学的エネルギーが,いかにして力学的エネルギーに変換されて身体運動となるのかを,その解明に迫っています. また閑話コラムとして,「質問に窮したHillの答え」「トレッドミルの傾斜はなぜ8.6%?」「猪飼山人の詠んだ歌」など,13のコラムを掲載しています.いずれも著者の長年にわたる研究生活から得られた内容です. バイオメカニクスの専門家のみならず,スポーツ科学に携わる方々のご一読をお薦めします. |
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目次 |
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序章 「スポーツ・エネルギー学」とは 1.先人の教え 2.「スポーツ・エネルギー学」の発想と語義 1章 エネルギーと人とのかかわり 1−1 エネルギーとは 1−2 太陽のエネルギーとエネルギー保存の法則 1−3 栄養学的なエネルギー 1−4 動物としてのエネルギー 1−5 力学的・工学的エネルギー 1−6 身体活動のエネルギー 2章 筋エンジンの構造と機能 2−1 筋肉の構造 2−2 筋収縮のメカニズム 2−3 ヒトの筋運動における筋節長と重合 2−4 フィラメントの滑走に関する学説 3章 筋収縮のためのエネルギー(入力)の産生 3−1 Hill−Meyerhof理論 3−2 筋収縮にともなう熱産生 3−3 非乳酸性・乳酸性酸素負債 3−4 無酸素性作業閾値(AT,LT,OBLA) 4章 高エネルギーリン酸の発見とエネルギー供給 4−1 ATPの発見とローマン反応 4−2 TCA回路 4−3 電子伝達系 4−4 エネルギー供給機構のまとめ 4−5 水槽モデルでみるエネルギー供給の調節 4−6 エネルギー供給の限界と効率 5章 健康づくりのパワーとトレーニング 5−1 無酸素的パワーとトレーニング 5−2 有酸素的パワーとトレーニング 5−3 トレーニング法の変遷 5−4 健康づくりのための運動指針 6章 力学的エネルギー(出力)と慣性負荷 6−1 筋による仕事 6−2 力学的エネルギー,仕事,パワー 6−3 並進運動と回転運動のエネルギー 6−4 慣性負荷の特徴 6−5 慣性負荷によるパワーテストのすすめ 6−6 慣性車輪の利点 7章 筋力学の展開 7−1 Hillの「粘性理論」否定に至るドラマ 7−2 荷重法による力―速度関係の確認 7−3 ヒトの最大パワーの出現条件 7−4 筋線維タイプと可塑性 7−5 筋パワーの可塑性 7−6 力―速度関係と複合トレーニング 7−7 伸張によるネガティブワーク 7−8 ネガティブワークの原因 7−9 高強度の伸張による筋損傷 8章 エネルギーの変換効率 8−1 効率とは何か 8−2 筋作業の効率における種々の定義 8−3 摘出筋のタイプと効率 8−4 高熱を発生しない「筋エンジン」 8−5 種々傾斜での歩行における効率 8−6 出・入力パワーからみた効率のよい走運動のピッチ 9章 「効率」から生まれた“ばね作用” 9−1 高い効率の謎 9−2 伸張効果の実験 9−3 ヒトの反動動作 10章 ヒトの筋腱複合体における微細機構の解明 10−1 超音波研究の歴史 10−2 新たな超音波実験の方法 10−3 ヒラメ筋の潜在的パワー発揮能力 10−4 ヒトの筋組織と腱組織のパワー 11章 歩く運動のエネルギー 11−1 歩行における筋線維と腱組織のはたらき 11−2 歩く運動の力学的エネルギーと「外的仕事」 11−3 振子運動に似た歩行の経済性 11−4 歩行時の肢運動による「内的仕事」 12章 疾走運動のエネルギー 12−1 速さの限界にいどむ疾走 12−2 日本の名スプリンターの研究 12−3 疾走スタート時における仕事の変化 13章 等速度で走る運動のエネルギー 13−1 等速走の仕事計測 13−2 等速走の外的仕事と内的仕事 13−3 走速度の増加と効率の変化 13−4 機械的仕事の計算法をめぐる論争 13−5 効率が高い理由は「バネ作用」にあり 14章 跳ぶ運動のエネルギー 14−1 筋パワーテストとしての垂直跳 14−2 スクワットジャンプにおける筋・腱のエネルギー 14−3 走幅跳と三段跳のエネルギー 14−4 棒高跳のエネルギー 15章 投げる運動のエネルギー 15−1 野球の投球 15−2 投運動のエネルギーと効率 16章 種々スポーツ種目のエネルギー測定事例 16−1 野球のバッティング 16−2 サッカーのキック 16−3 水泳の平泳ぎとクロール 16−4 ボートのローイング 16−5 鉄棒でのかかえ込み宙返り 16−6 自転車作業と競輪 17章 空気抵抗と運動のパワー 17−1 自転車競技 17−2 スキー競技 17−3 疾走運動 18章 月面ジャンプと「宇宙船内体操」 18−1 月面ジャンプと「体重」の意義 18−2 「宇宙船内体操」のエネルギー 19章 出力パワーの限界と「人力飛行」 19−1 人力飛行の夢 19−2 日本人女性初の人力飛行 終章 結びにかえて〜時間は誰にも平等か〜
閑話コラム(1)<質問に窮したHillの答え> 閑話コラム(2)<筋肉はエンジン工学の見本?> 閑話コラム(3)<A.V. HillとO. Meyerhof> 閑話コラム(4)<R. Margariaのプロフィール> 閑話コラム(5)<良き実験動物―それは人間?> 閑話コラム(6)<トレッドミルの傾斜はなぜ8.6%?> 閑話コラム(7)<臨床医と生理学者の違い> 閑話コラム(8)<慣性車輪を懐かしむA.V. Hillと猪飼の心境> 閑話コラム(9)<猪飼山人の詠んだ歌> 閑話コラム(10)<古澤や 池にとびこむ…> 閑話コラム(11)<J Physiolの著者名はアルファベット順だった> 閑話コラム(12)<W.O. Fennが伸張効果を認めた?> 閑話コラム(13)<魔球ナックルボールの謎>
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